映画産業のギャンブルへの影響

皆さんは、ショービジネスはギャンブル産業とはまったく違うとお考えかもしれません。では、ハリウッドや映画においてカジノは何らかの役割を担っているのでしょうか? その答えは完全に「イエス」です。映画産業はギャンブルの世界にプラスの影響を与えています。皮肉なことに、カジノやギャンブルの世界には明るいイメージがないようです。たいていの脚本では暗く、冷酷なものとして描かれています。映画でのギャンブルは常に好ましくないイメージです。しかし実際には、そうした面を見せることで多くのカジノが助かっているのです。ギャンブル産業を多くの人に売り込む際には、世間に知られていることが重要です。

映画『のるかそるか』のジェイ・トロッター(リチャード・ドレイファス)のような幸運を望まない人はいないでしょう。誰もがとてもツイてる日を夢見るものです。映画を観ると、「幸運な日」が実際にあると思うようになります。ギャンブラーはなおさらでしょう。それは奇跡を信じるのと似ています。映画は人々の夢を現実的な形で表現します。

『オーシャンズ11』『オーシャンズ12』『オーシャンズ13』のダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)を見守っているときと同じように、たいていの人は偶然や幸運の力を信じています。第1作の『11』では、ラスベガスで一番大きな3つのカジノで盗みを働くギャンブラーと泥棒の姿が描かれています。『オーシャンズ』シリーズでカジノ業界についてプラスのイメージを抱いた人もいるでしょう。

作品では、豪華な生活ぶりや見事な内装を見ることができます。そして、カジノやギャンブル産業が一攫千金を求める人だけのものではないことがわかります。カジノ的なライフスタイルは権力を持つ人々のためのものです。映画の中では、ダークながらも影響力のあるものとしてギャンブルが表現されています。

ギャンブル映画は好みが分かれるでしょう。私たちは映画の影響を大きく受けやすいものです。ずる賢い敵役や力強い主人公になりきって、現実の世界で大きな幸運に恵まれると考えています。そのために多くの人がカジノへ行き、運を試すのです。いつも楽しみや興奮を求めているわけではありません。ギャンブルや幸運を描いた映画には影響力があります。主人公が素敵な最後を迎える映画は間違いなくヒットします。

カジノは映画に登場するとイメージが悪くなるのでしょうか?私の答えはNOです。人の目に触れて存在が知られれば、人生で大きな幸運を手にする場面を想像しやすくなります。敗者が直面する現実にはあまり目が向けられませんが、数少ない作品で言えば、映画『ギャンブラー』では、ギャンブルのためにすべてを失うアレックス・フリードの姿が描かれています。